脂質異常症について|【富士宮市・富士市エリア対応】内科・在宅診療・リハビリ|ふじハートクリニック

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脂質異常症について

脂質異常症について|【富士宮市・富士市エリア対応】内科・在宅診療・リハビリ|ふじハートクリニック

9月の生活指導のテーマは【脂質異常症について】です。

血管の老化は静かに進む -脂質異常症を放置しないために-

→上記リンクからPDF形式でもご覧いただけます。

 

① 脂質異常症とはどのような病気か?
脂質異常症とは、血液中に含まれる脂質のバランスが崩れた状態を指します。脂質とは主に「コレステロール」と「中性脂肪」のことで、これらは体に必要な栄養素ですが、過剰になると健康に悪影響を与えます。
脂質異常症の主な異常は、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高い、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低い、中性脂肪が多い、のいずれか、または複数が組み合わさっている状態です。
血液中の悪玉コレステロールが多いと、血管の壁にコレステロールがたまり、動脈硬化を進行させます。動脈硬化は血管を硬く狭くし、血流が悪くなって心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こします。
また、脂質異常症はほとんどの場合、自覚症状がなく健康診断で初めて指摘されることが多いため、「見えない脅威」と言われています。

②管理の意義
脂質異常症を適切に管理することで、動脈硬化の進行を防ぎ、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な疾患のリスクを低減できます。また血液の流れを改善し、全身の健康維持に役立ちます。適切な治療と生活習慣の見直しによって、健康的な生活を送ることが可能になります。

③なぜ治療が必要なのか?
脂質異常症は症状がないまま静かに進行し、知らぬ間に血管の健康を脅かします。
脂質異常症を適切に管理することで動脈硬化(動脈の血管が硬くなり弾力性が失われた状態)が進みます。加齢とともに誰にでも少しずつ進みますが、脂質異常症があるとそのスピードが速くなります。これにより、次のような病気・合併症につながる可能性があります。
・心筋梗塞:心臓の血管が詰まり、心臓の筋肉に酸素が届かなくなる状態です。胸の痛みや呼吸困難を引き起こし、放置すると命に関わります。
・狭心症:心臓の血流が不足し、一時的に胸が締め付けられるような痛みを感じる状態です。
・脳梗塞:脳の血管が詰まり、脳の一部が壊死してしまう病気で、半身麻痺や言語障害などの後遺症を残すことがあります。
・末梢動脈疾患:手足の血管が詰まり、歩行困難や潰瘍の原因となります。
特に、糖尿病や高血圧など他の生活習慣病を併せ持つ方は、これらのリスクがさらに高くなります。治療はこれらの合併症を未然に防ぎ、健康な生活を維持するために不可欠です。

④ 脂質異常症の治療方法について
脂質異常症の治療は、定期的な血液検査と医師の診察を受けながら「食事療法」・「運動療法」・「薬物療法」の3本柱で進めます。これらを組み合わせることで、動脈硬化の進行を抑え、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な合併症を予防できます。

● 生活習慣の改善が治療の基本
脂質異常症の治療の第一歩は、生活習慣の見直しです。
•食事面では、脂質の種類に注意することが大切です。動物性脂肪(バター、脂身の多い肉など)やトランス脂肪酸(マーガリン、加工食品など)は控えめにし、青魚や大豆製品、野菜、果物を積極的に摂りましょう。
•また、過剰な糖質やアルコールの摂取は中性脂肪を増やす原因になるため注意が必要です。
•運動は週に150分以上のウォーキングや水泳などの有酸素運動がおすすめです。
•体重を適正範囲(BMI:25未満)を目標に維持しましょう。
•喫煙は善玉コレステロールを下げ動脈硬化を進めるため、禁煙が強く推奨されます。

【なぜ生活習慣の改善が重要なのか?】
薬は血液中の脂質をコントロールしますが、根本的な体質や生活の背景を変えなければ再び脂質が悪化することがあります。
生活習慣の改善は、脂質異常症だけでなく糖尿病や高血圧などの他の病気予防にもつながります。
例えば、体重を5~10%減らすだけで、LDLコレステロールや中性脂肪が自然に下がりやすくなります。
無理なく継続できる範囲で、バランスの良い食事や適度な運動、禁煙を心がけることが健康長寿の秘訣です。

● 薬物療法:生活習慣の改善だけで目標値に届かない場合や、心血管疾患のリスクが高い場合には薬を用います。
•スタチンは悪玉コレステロールを効果的に下げ、心筋梗塞や脳梗塞の予防に役立つ薬です。
•エゼチミブは腸からのコレステロール吸収を抑えます。
•フィブラート系薬は中性脂肪を下げ、善玉コレステロールを上げる効果があります。
•EPA製剤は中性脂肪を減らし、血管の炎症を抑える効果が期待されています。

⑤療養上のポイントや工夫

●揚げ物や加工食品を控え、野菜・魚中心のメニューを。
→「まごわやさしい」
(豆・ごま・わかめ・野菜・魚・しいたけ・いも類)を意識
・揚げ物よりも蒸す・煮る・焼く調理法を選ぶ
●間食を減らし、糖質や脂質の過剰摂取を避ける
●1日30分程度の有酸素運動をする
●ストレスを溜めないよう、趣味やリラックスできる時間を確保する
●定期的な検査・記録
・3〜6か月ごとに血液検査でLDL・HDL・中性脂肪をチェック
・検査結果や体重、運動量を手帳やアプリで記録

 

定期的な血液検査と医師の診察を受けながら

一緒に治療をしていきましょう。

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